報酬の妥当性は。市民の納得感が前提ではないでしょうか。

こんばんは。池田やすみち(山梨県北杜市議会議員)です。

本日は第4回定例会で賛否の割れた議案のうち、

「北杜市議会議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例等の一部を改正する条例について」

について、私の立場をご報告します。

まず背景情報ですが、当議案を見るとまるで議員の報酬のみが対象のように見えると思いますが、”条例”のには、市長、職員も含まれます。イヤらしいな、と思うのは私だけじゃないと思います。共産党は個別の議案に分けるべきで、分けられていたら、市長、職員の報酬アップには賛成、議員はNGとの立場だったはず。

公務員の給与というのはどうやって決まるのかと言うと、かなり簡単に説明致しますと、民間の給与を調べて公務員も同水準にする、ということで決まります。

その調査をするのが人事院です。

その人事院の勧告に”鑑み”、3者の報酬をあげる、と言うのが当議案です。

なぜ”鑑み”ると言う表現かと言うと、人事院が勧告の対象としているは、国家公務員(の一部)であり、北杜市のような地方公務員が対象ではないからかと捉えています。

私はこの議案に反対をしました。

理由は、ネットで検索すると大勢の方が既に指摘をされていますが、人事院勧告は民間給与の平均を表していない、からです。

人事院は、50人以上の事業所規模を調査対象とします。

今回の勧告での対象事業所は以下の通りです。

 3000人以上                      1,538箇所    (調査対象のうち15.1%)

 1000人以上3000人未満     1,236箇所    (12.2%)

 500人以上1000人未満       1,241箇所    (12.2%)

 100人以上500人未満         4,333箇所    (42.6%)

 50人以上100人未満           1,822箇所    (17.9%)

これでは民間の給与平均出ません。肌感覚でも大企業の割合が多すぎます。

北杜市の肌感覚ではさらに実態を表しません。

参考のために、対象人数の割合がどの程度になるかざっくりと計算を試みると、次のような感じでしょうか。

 3000人✖️1538箇所=4,614,000人(49%)

 1000人以上3000人未満の真ん中を取って2000人として、

 2000人✖️1236箇所=2,472,000人(26%)

 以下同様に考えて計算すると、

 750人✖️1241箇所=930,750人(10%)

 300人✖️4333箇所=1,299,900人(14%)

 75人✖️1822箇所=136,650人(1%)

日本の労働者の約半分が大企業に勤めていることになります。そんなわけありません。

(計算方法、考え方に間違いがあったらご指摘お願いします<(_ _)>)

反対討論でも申し上げましたが、市職員の日々のご苦労には敬意を表します。

しかし、人事院勧告が民間給与を反映していない以上、それを鑑みた給与改定に賛成することはできません。

ではどうするか、と言うのは難しい議論ですが、納税者である市民の納得感が大前提ではないでしょうか。人事院勧告では納得感はありません。

議員報酬については、人事院勧告を鑑みる必要はありません。

一方で、現在の報酬が適当か、と言う議論は必要だとは思っています。

何ヶ月かデータをためた後に、月々の出入の様子が分かりましたら、情報を公開してまいります。

本日は以上です。