市民の皆様に説明できない来年度予算に反対しました

こんにちは。池田やすみち(山梨県北杜市議会議員)です。

昨日に続き、金曜日に閉会した定例会の報告をいたします。

今定例会のメインテーマといっても良い来年度予算ですが、私は“反対”をしました。

来年度予算は歳入歳出それぞれ約280億円です。

シーリングを設定して総額を抑制するとともに、これまで以上に事業効果や施策の優先度を厳しく精査した、とのことでした。

シーリングをかけるのは無駄を削減していく一つの手法だと思いますが、私は財政が厳しいからといって、なんでもかんでも節約した方が良いという考えではありません。投下した予算以上の効果が見込めるのであれば、事業化した方が良いと思っています。

ただ今回の予算は例えば…

観光商工課関連でいえば、相変わらず効果の不明瞭なキャンペーンに予算がガッツリと積まれています。都内の駅やサービスエリアでのパフレット配布の際もノベルティーグッズ(南アルプス天然水とか)があるから、パンフレットを受け取ってくださる、という方が多いように見えます。砂漠に水をまくようなもので、市民感覚ではありえない内容です。

地域おこし協力隊の活用も大失敗していることはご紹介した通りですが、改善が見られません。国民(の代表)が決めた法の目的を捻じ曲げた活用方法です。良い政策がダメになっていく典型です。

林政課関連では、獣害対策(以前のブログ)の効果について確認しましたが、お申し出のあった被害のみなので全貌は分からない、と。すなわち効果が出ているかは分からないです、と。堂々と言われても…。実際に現場の声としては効果が出ていないわけですし、サルで言えば、もう家に侵入された事例が出ている状況なので、いつ人が襲われるか心配な状況で、部長答弁は危機感のかけらも無し。ちなみに委員会では全ての被害を把握しています、と言い切っていたので、それはそれで大問題なのですが…

住宅課関連でいえば、就業促進住宅整備事業費として、5.3億円ほど積まれており、18戸なので、1戸あたり約3,000万円の費用に対する納得のできる説明なし(ちなみに土地代含まず)。これだけの血税をどのように回収できるシミュレーションかを聞いても、納得できる説明はなし。考えたこともないような様子でした。一戸建てとは構造が違うとは言え、豪邸が建つような予算ですからしっかりとした説明が必須です。

とこういった感じで、事業効果を厳しく精査したとはとても言えない内容が含まれていました。事務事業評価ではPDCAサイクルを重視しているようですが、その信憑性にも疑問符がつきます(もともと疑問符だらけではありましたけど)。

議会を見渡していただくと、過半数は是々非々の姿勢の議員と私は思います。すなわち、平成29年度予算の執行状況(効果)が酷いと、来年度予算は否決される可能性も十分考えられます。その前に平成28年度の決算もあります。

当然市長もそれはお感じのこととと思いますので、効果的で無駄がないと市民の皆様にご説明できる内容となるよう、期待したいと思います。

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(以下は本会議での私の反対討論内容です。正式なものは議事録になります。)

 議案第27号平成29年度北杜市一般会計予算につきまして、反対の立場から討論をいたします。

 渡辺新市長にとって初の予算編成ということもあり、ご期待し当定例会へと臨んだわけですが、多くの「賛同」できる事業がございました一方で、諸手を挙げて「賛成」をできない点が多々ございました。

 「厳しいシーリングを設定し総額を抑制」した予算であり、「これまで以上に事業効果や施策の優先度を厳しく精査した」と言うことで、評価される箇所があるわけですが、市民の目線で考えると、行政サービスの充実を求めるのではなく、市の財政へ協力頂いている状況にあるとも言えます。

 そういった中では、特に各事業の効果を最大限に引き上げること、またその効果目標を明確に示す必要があり、そうでなければ、市民の納得は得られません。予算の妥当性は、しっかりとした振り返りと事業改善の納得感が必須です。

所属する委員会に関連するところで言えば、

・一般質問でも取り上げた獣害対策の効果検証と、翌年度に向けた改善が見られないこと

・観光分野の地域おこし協力隊の活用が、なぜここまで大失敗してきたかの振り返りが不十分であること

・観光分野では事業の効果検証が不明瞭で、引き続き「砂漠に水をまくような」と表現されるような、効果の分からない事業が多いこと、

・就業促進住宅事業費については、土地代を含まずに一戸あたりの費用が3000万円ほどになることの説明が不明確、また、投資をどう回収するのかの検討も不明確、

といったようなポイントがありました。

これでは市民の皆様の納得感を得るのは難しい、と判断いたします。

市民の皆様にご納得いただけないであろう以上は、当議案について賛成することは困難であり、反対をせざるを得ません。

今後は渡辺市長のリーダーシップのもと、しっかりとした目標設定、効果検証が実施されることを願い、反対討論を終わります。