ちょっと曖昧な北杜市小中学校通学補助のルールのお話(2)〜なかなかシビれる経緯〜

池田やすみち(山梨県北杜市議会議員)です。

昨日のブログで、昨年度の通学補助申請の際にすったもんだがあった、と書きましたが、各校へ配布されたペーパーでは、その内容が正確に共有されていませんでした。回収して訂正版が再配布されますが、どのような経過を辿ったか私からも共有します。あー文章長い…

4月上旬:私 👉 行政

通学補助は、条件によってはフリーパス券(定期券)ではなく補助金で交付を受けることが可能、と某市議さんから情報を頂き、教育委員会教育総務課へ問い合わせ開始。

4月上旬:行政 👉 私

問い合わせの結果、うちは補助金の対象ではなく、フリーパス券の交付対象となる旨、教育委員会教育総務課よりお電話を頂く。

あれれ?と思い規程を確認。やっぱりおかしい…

第3条 補助金又はフリーパス券は、通学距離が片道4キロメートル以上の児童生徒のうち、スクールバスを利用できない児童生徒に交付するものとする。ただし、特別な事情により北杜市教育委員会が必要と認めた児童生徒は、この限りでない。…4km以内でも例外はあると捉えられる。

2 通学のため交通機関の利用に係る補助金等の額は、当該交通機関利用区間に係るフリーパス券又は定期券の額とする。

3 交通機関の無い地域については、当該地域に市民バスが運行された場合を想定した定期券の額とする。…交通機関の無い地域の定義が不明瞭。

※読みやすくするために一部文章を削除していますので原文はリンク先を参照願います。

※赤字は私のコメント。

4/18:私 👉 行政

下記内容にて再度メールで問い合わせ。

・学校まで4km以上ありスクールバス対象となるが、スクールバスが走っていない。

・最寄りのバス停まで5kmあるので、”交通機関の無い地域”、と言う扱いと思われるが、”交通機関の無い地域”の定義がない。

・4kmがスクールバス利用の基準になっていることから、バス停までの5kmを児童に歩かせるのは適切ではないと規程の趣旨を捉えるべきでは。すなわち定義の無い”交通機関の無い地域”にあたるのでは。

・5km先にあるバス停を利用しての通学は現実的に選択肢とはならないので、規程に則り、フリーパス券ではなく補助金にて交付をお願いしたい。

4/18:行政 👉 私

教育委員会教育総務課より下記内容にて即返答を頂いたものの、市民目線では???な内容。

・自宅付近まで市民バスは運行されていないが、幹線道路への市民バス運行がされており(バス停まで5kmですけどね…)、”交通機関の無い地域”にはあたらないと市教育委員会は判断する

・したがって補助金ではなくフリーパス券の交付となる。

言い換えるならば、

・自宅から学校まで4km以上歩かせるのは良くないからスクールバスを使ってください。

・しかしバス停までは4km以上であっても歩いてください。

という回答と言えます。全く合理性はありません。

4/18:私 👉 行政

私の方から改めて、”交通機関の無い地域”とは?とお問い合わせ。

4/21:行政 👉 私

直接会いにいらっしゃり、上記内容についてディスカッション。

結論出ず、再度持ち帰えられて検討。

4/29:私 👉 行政

1週間が経過したため、回答がいつになりそうか問い合わせ。

5/12:私 👉 行政

さらに1週間以上が経過したため、再度回答がいつになりそうか問い合わせ。

5/12:行政 👉 私

5月中に検討して回答する旨、今度は即返答あり。

5/31:行政 👉 私

回答まで6週間を要したものの、約束通りの期日で回答あり。

しかし、これまで上記3条の3、”交通機関の無い地域”について議論してきたにも関わらず、論点がずれた回答で、

・3条の1”特別な事情”とは、通学距離4km以下の場合、スクールバス等の対象とならないが、身体等の”特別な事情”がある場合は、フリーパス券等を交付することもできる

・だから今回のケースは”特別な事情”にあたらない、と。

そりゃそうでしょう…

最初からそんな議論してませんし…

5/31:私 👉 行政

めげずに(笑)、検討頂いたことへの感謝を伝えつつ、でも論点がずれてしまってますよ、と指摘。

私と教育委員の皆様の間に事務方が入ることで、話が正確に伝わっていないように感じたので、教育委員の皆様との面談希望を伝えました。

6/7:私 👉 行政

1週間音沙汰が無いので、状況確認のメール。

6/10:行政 👉 私

数日後、返答を頂くも、最初の議論の繰り返し。

最寄りのバス停まで4km以上あったとしても、”交通機関の無い地域”にはあたらないと判断する、と。

だからその定義はどこに記載されているのでしょうか?定義がないなら、どう考えるのが規定の趣旨と合致しますか?と言う議論をしてきたわけなんですけども…

6/10:私 👉 行政

規程に沿った判断とは思えないため、教育委員の皆様の判断と思えず、直接お話しさせて欲しい旨、再度リクエスト。

6/17:行政 👉 私

1週間経過したのち、どのような話し合いをしたいですか?と逆質問あり。その内容によって、教育委員の皆様とのお話し合いが可能か否かを判断させて欲しい、と。

6/20:私 👉 行政

私から下記ポイントを返信。

・議論が堂々巡りになっているので、第3者を入れたい(不服申立のステップに進みたい)こと、

・ただ教育委員の皆様にとって寝耳に水ということでは不本意なので、先にお話しさせて頂きたいこと、

・間に人が入っていることで異なる理解をされているかもしれず、誤解が解ければわざわざ第3者に入ってもらう(不服申立をする)必要もない、

ということをご連絡。

7/11:私 👉 行政

3週間(!!!!!!!!!)返答がないので、メールにて状況を問い合わせ。

7/15:私 👉 行政

それでも返答がない(!!!!!!!!!!!!)ので、大変誠に不本意ながら不服申立を提出することを連絡。

7/17:私 👉 行政

ネット経由で不服申し立てを提出。

7/26:行政 👉 私

担当課長より、補助金を交付できることとなった旨、連絡を頂く。

メールを読んだ時は、驚きやら怒りやら様々な感情を通り越して、頭を抱えました…

市民が提出した不服申立は黙殺か?そんなことをする組織文化なのか?

7/26:私 👉 行政

頭を抱えながら、下記ポイントを返信。

・これまで補助金での交付はできないと正式に判断されてきたこと

・直近では問い合わせに対して、かなりの長期間にわたりまったく返答もなかったこと

・だからこそ不本意ながら、不服申立をしたこと

・こういったことを考えると、しっかりオープンにこれまでの経緯を第3者に審査して頂くことが、今後の市民のためになると考えるので、不服申立を取り下げることは考えていない。

ということを連絡。

7/28:行政 👉 私

2日後に返答があり、ネット経由での提出ではなく、書面(押印含む)での提出が必要との連絡あり。

最初に受理してから今まで何をしてたのか!という返答ですよね。

ネット経由がNGならば、即日連絡してくるべきです。

不服申立をされるのはマズイから、受理しない理由を考えて、急ぎ補助金で交付してしまおう、という動きであったように市民から見えても致し方ないと思います。

10/7:行政 👉 私

上記やり取りの後、書面で提出しました。しかし!審査対象となる行政処分に該当しない、ということで却下、との結果が書面で送られてくる。

すでに補助金で出すことを決定した後だから、対象となる行政処分が無い、ということでしょう。

長々と書きましたが、こんな酷い経緯だったわけです。

市民目線で言えば、

・規程があるにも関わらず、その通りに処理がされず、

・それを指摘し確認しても適切な回答がなく、

・仕方ないから不服申立をするも、その直後に判断を変えてきて、

・申立を取り下げてない、と言うと、受理してない、と言い

・再度申立をすると、もう対象となる行政処分がないので却下

と、まあこんな酷い経緯だったわけです。

しかし、各学校へ配布したペーパーは、まるで保護者がゴリ押ししているかのような印象を与えかねない内容でした。

繰り返しですが、不正確な内容の当ペーパーは教育委員会教育総務課が回収し、訂正したものを再配布する、と約束してくれてますが(当時の課長や担当者は異動となっているので大丈夫だろうとは思いますが)、このような経緯がありますので私からも正確な情報を発信させてもらいました。

「なにをそんな細かいことを」と言うご意見も聞こえてきそうですが、非常に根深い課題を抱えている可能性のある重要な事例です。

いつかも書きましたが、税金の使い方や行政のルール(条例等)は市民の代表である市長や議員が決めます。その内容が気に入らなければ、選挙で別の人を当選させて、条例等の内容を変えるなど、市民がコントロールし、ガバナンスを効かせることができます。

一方、行政職員は市民の代表ではなく、身分も保証されており、当然市民からフリーハンドを与えられているわけではありません。ですから決められた条例等に忠実に則って仕事をしてもらう必要があります。

今回のケースは、市民目線でいえば、行政職員がルールに則らない判断をし、さらにそれを正そうとするための不服申立も恣意的に扱った、と言われても反論できないのではないでしょうか。

”細かい”かもしれませんが、こう言ったことを一つ一つ指摘していくことが、意識改革・再発防止につながると考えます。そのためにも常にアンテナを高く活動をし、市民の皆様のお声を伺い、課題をすくい上げなければと、思いを新たにしたところです。

もし同様の事例などがありましたら、しっかりと取り組みますので、ご連絡を頂ければと思います。

長々となりましたが、本日はこんなところで。

※誤解のないようにですが、素晴らしい職員が大勢いらっしゃいます。そういった方々が活躍できる市役所にしていく必要があります。市長のリーダーシップで課題解決は加速します!