どちらのリスクを取りますか?

池田やすみち(山梨県北杜市議会議員)です。

議員有志による太陽光発電設備に関する条例(案)について、本日はこれまでとは別の角度から考えを発信したいと思います。

「市民の皆さんはどちらのリスクを負うことを望むだろうか」という観点です。

資源エネルギー庁が策定した新FIT法に基づく「事業計画策定ガイドライン」があります。そこには下記の説明がされているのは先日ご紹介した通りです。

「FIT法に基づく認定と関係法令及び条例の許認可等は異なる観点から行われるものであり、FIT法に基づく認定は他法令における許認可等を担保するものではないため、関係法令及び条例の許認可の手続等の中で、計画の実現が困難になる可能性や、発電設備の設置場所や発電出力などが変更となる可能性があることに留意されたい。」
(事業計画策定ガイドライン6ページより)

繰り返しですが、国の方での発電事業の認定が取れても、北杜市の条例に引っかかれば事業はできないですよ、と明確に言っています。新FIT法と条例は別物であり、前後関係や親子関係にはなく、すなわち地方自治体の条例をクリアした上で事業認定を申請してください、とは書いてません。
ですから繰り返し主張している通り、国の事業認定をすでに受けている事業者であっても、例えば工事着手前の事業者に対して守って欲しい内容を条例に定めることができるわけです。

ただそうは言っても事業認定を受けるなどして計画してきた事業ができなくなった事業者から、訴訟を起こされるリスクがあるのではないか?と心配する声を聞きました。
おかしいと思うことを司法に判断してもらうのは、なんら特別なことではなく、いたって普通のことです。
いろんな人がいるので、何をやったとしても訴訟を起こされるリスクはゼロにはなりません。
しかし、繰り返しですが、上記のガイドラインの説明の通りですので、当件についてはそのリスクは限りなく小さいと私は考えます。

一方で、訴訟を起こされるリスクを非常に心配し、そのリスクを避けることに重きをおく意見もあります。納得はしませんが、それも一つのスタンスとして理解はできます。

では次の二つの選択肢があるとしたら、北杜市民はどちらのリスクを取りたいと考えるでしょうか。

(選択肢1)事業認定を受けた3500ほどと言われる事業者に対しても有効な条例を策定する。訴訟を起こされる可能性(リスク)はゼロとは言えない。
(選択肢2)すでに事業認定を受けた事業者には有効でない条例を策定する。訴訟リスクはないが、3500ほどの無秩序な事業の乱立を防げない可能性(リスク)がある。


私は(1)のリスクを取るべし、という市民が多いのではないかと感じています。
訴訟リスクがあったとしても、北杜市が太陽光パネルに覆われる街となることから市民を守る条例を策定して欲しい、と求めていると思います。
北杜市から人が追い出されることへ繋がる、と言っても大げさではなく、そんな結果を招くことを防いで欲しい、と求められていると思います。

今回の件では、市民の皆さまが何を求めているか、議員各位が感じ取るセンスを問われていると言えるかもしれません。
明日6月6日(火)13:30〜 北杜市高根町農村環境改善センターにて「市民の皆様への条例案説明&意見交換会」があります。
議員も出席はできるということですので、しっかりと市民の思いを感じてきたいと思います。