給食の地産地消率が下落している原因は不作?客観データは豊作に見えるが…

こんにちは。池田やすみち(山梨県北杜市議会議員)です。

食の話が続きますが、第3回定例会一般質問では、議会のインターネットによる公開と、給食における地産地消率が大きく下落している件についても質問しましたので報告致します。こちらも渡辺英子市長の姿勢が分かりやすく現れたかな、との印象です。期待するからこそ指摘し続けます。

ちなみに今回一般質問の事前通告をした後に、武川給食センターの統廃合の報告が議会にありましたが全くの偶然でした。これまた偶然ですが、保護者説明会(関連ブログ)でも地産地消について、とても気にされている方がいらっしゃり、タイムリーな質問になりました。


第2次北杜市総合計画では、次のように書かれています。

「学校給食等における地域の農畜産物等の利用拡大を推進し、地域に根ざした支援を行っていきます」

しかしながら、給食の地産地消率が下降傾向にあるのではないか、との農業従事者の声があったのが発端となり、調査を開始しました。

(※ちなみにこうした市民の方の問題意識、課題認識を教えて頂くことをきっかけに、取り組みに着手することが多いです。どのようなことでも取り組みますのでぜひお声掛け下さい!)

6月議会では、なぜ給食の地産地消率が下落しているのか?と言う質問に、”不作だから”と言う答弁をしていました。

しかし数値データを見ると、山梨県は豊作のように見えます。

折れ線グラフは北杜市給食の地産地消率です。

教育委員会より提示があった下記データを使っています。

棒グラフは山梨県の各野菜の出荷量(t)。元データは農水省HPです。

重ね合わせると…

(※傾向を見て頂きたいので折れ線グラフは25%から50%で表しています)

”北杜市は不作”が原因で給食の地産地消率が下落している、と言う答弁に皆さん納得できますか?

私は全く納得できませんでした。

地産地消率は重量ベースなので、じゃがいも、たまねぎ、にんじん、だいこんなどの重たい野菜の影響が大きいはずですが、よく採れています。

確かに平成24年よりも採れていない野菜もあります。しかし、多くの野菜が26年、27年、28年、と右肩上がりで採れています。地産地消率は右肩下がりです。

右肩上がりでない野菜は白菜とキャベツだけ。

そこで、”市民が見て納得できる「北杜市は不作」を示す客観データはありますか?”と言う質問には”客観データは無い”と言う類の答弁…

これでは不作が原因であると言う理由で市民に説明するのは無理というもの

原因は他にあると考えるのは自然です。

ちなみにこの答弁姿勢は、すなわち組織のトップである渡辺英子市長の姿勢だ!と言われても反論は難しいのではないでしょうか。市長がNGを出せば、このような答弁はできないはずですから。

同様の姿勢で、給食センターを統合すると保護者に説明しても、さすがに承認は得られない、というのは先日書いた通りです(こちら)。

そしてとある行政サイドの方から言われた衝撃の言葉。

一言一句は正確ではありませんが、

”給食の地産地消率向上に頑張って取り組んでいる人がいる。批判するのは如何なものか。”

と。

あまりのズレっぷりに、これでは課題解決の道は遠いかも…と心配になりました。

今回の件は、頑張っている人の努力をいかにして行政が後押しし、努力の効果を最大化するのか、という指摘であって、頑張っている人たちの批判ではありません。

頑張っている人がいるんだから批判するのは如何なものか、では思考停止です。しがらみと言ってもいいでしょう。

こんなスタンスは、私の肌感覚では超少数派ですが、マネジメント層には一人としていてはダメな思考と言えます。渡辺英子市長にはこういった考え方についても改めて頂くよう、リーダーシップを期待したいと強く感じました。

給食の地産地消率向上については、物流面でテコ入れをする、との答弁もありました。多くの農業従事者の方から物流の課題について伺っています。聞いていると課題はそれだけではないようです。数字は正直です。期待するとともに、引き続き注視してまいります。