移住定住促進、空き家対策にRent to Ownという考えはどうでしょう?

こんにちは。池田やすみち(山梨県北杜市議会議員)です。

先日経済環境常任委員会で視察に行ってきました。2つのテーマのうち、空き家対策についてご報告します。

北杜市空き家等対策計画をもとに、市の状況をざっと共有します。

人口 ※平成27年国勢調査、国立社会保障・人口問題研究所による

 (H27)45,111人 → (H52)32,880人

 (H27)65歳以上人口16,457人 → (H52)15,964人に減少

 (H27)75歳以上人口8,294人 → (H52)10,222人に増加

・高齢者世帯の約半数はひとり暮らし世帯。今後の入院や介護保険施設への入所等で空き家が増加する見込み

・まずは生活環境への悪影響を及ぼす可能性の高い集落内の空き家等から調査・対策に着手。(別荘など集落以外の周辺エリアについても対象としていくと説明を受けています)

・都会からの移住希望が多い状況。空き家や跡地の活用が必要不可欠

・北杜市の空き家率は42.0%。別荘等を除くと10.9%。空き家の74.0%が別荘等。

・所有者や親族が遠方に住んでいるので管理が困難地域との意識にズレが生じている(一般論かと)。

・管理・除却などには負担が伴う。利用予定がないとそのまま放置される(これも一般論かと)。

住宅用地は固定資産税の特例措置が適用される。除却すると特例から外れる。除却が進まない要因と考えられるが地方税法の改正により勧告を受けた場合は除外されることとなった。

・市の責務は住民の生命、身体又は財産の保護、生活環境の保全。そのための空き家対策。民事の紛争に関しては当事者間での解決が原則。

・特に必要と認められる場合は、除却等の命令を行い、行政代執行による強制的に除却する等、住民の生活環境の保全を図る。

視察先の取り組みとしては次のようなポイントがありました。

空き家を減らすために購入・リフォーム補助はするが、単純な新築には補助しない

目的は空き家を減らすことだから、と。政策に整合性・一貫性を感じ、しがらみを断ち切るなど市長さんには覚悟がいったろうなぁと思います。

当件に限らず北杜市行政の課題はこういった政策の整合性。例えば移住定住促進!とうたいながら、無秩序に地上設置型太陽光発電設備が設置されることへの対策に及び腰と見られており、都会から引っ越してきた途端に隣にパネルが敷き詰められるかも、という心配から移住希望へのブレーキ要因になっているなど、行政のちぐはぐさは市民がお感じのところ。

二世代近居へ補助

実家の近く概ね1km以内の空き家を解体・新築もしくは改修に補助。Uターンにもなるし、子育て支援、高齢者福祉、住民税・固定資産税の増収なども。

移住者の多い北杜市では逆に親が引っ越してくるパターンを検討してもいいのではないかと思いました。

老朽空き家等対策補助

危険な空き家を解体すると補助金を支給。シンプルですがストレート。ただ安易な解体を抑制するために、昭和56年以前の旧耐震のみ対象とのこと。

行政代執行を実施

視察先ではすでに略式代執行の実績がありました。北杜市にも同様の仕組みがありますが、同じく執行には非常に丁寧な進め方をされていました。

基本的に持ち主が明確な場合は、勧告(従わない場合は固定資産税の特例措置解除)、命令(従わない場合は罰則50万円)を行い、当事者に対応を促すそうです。しかし、所有者が不明で、倒壊の恐れもあったケースでは、委員会を開催し、略式代執行を行ったそうです。費用については、空き家解体後の土地の売却によってカバーするようです。

全国空き家については試行錯誤ですね。

ちなみにですが、北杜市へは移住希望者が多いですが、いきなり土地を購入し家を建てるというのは、高めのハードルだと感じますがいかがでしょうか。地域について分からないことも多いでしょう。

ひとまず賃貸で住み始めることができるなら移住したい、という方も多いのではないでしょうか。

賃貸で住み始めたところが気に入ったらそのまま購入ができると、さらに移住ハードルが下がりませんか?

さらに、賃貸の家でも借主がリフォーム補助を受けられるならば、空き家所有者もリフォームしてから貸し出す、販売する、より低リスク。

Rent to Own(購入選択権付き賃貸)という考え方と近いように思います。

移住定住促進と空き家対策にプラスに働きそうに思うのですが、細かい点でデメリットがあるのかもしれません。お詳しい方いらっしゃいましたらぜひ教えて頂けますと嬉しいです。

本日はこんなところで。獣害対策についても研修してきましたので後日ご報告します。

これから野外打ち合わせに行ってきます。BBQとの噂もありますが^^

暖かくして行かないと!