“自治体のあり方が私たちの「生活の質」を決めていく”とは

こんばんは。池田やすみちです。

先日、某市で市議会議員を5期、市長を3期務められた方にお話を伺う機会がありました。その方が以前書かれた文書がとても分かりやすく伝わりやすく、また共感する部分が多かったので、今日はいくつかご紹介します。

”私たちの生活に関連する事務の大部分を市役所が行なっている・・・マスコミの報道も国の政治に関することが中心になっています・・・自治体政治に関心を持つことが必要・・・地方分権改革が進んでくると「自分たちの地域のことは自分たちで決める。そして、自分たちの責任でそれを行う」ことが求められる・・・自治体のあり方が私たちの「生活の質」を決めていく

”議員活動の質はいかに地域や自治体の情報をキャッチするかによって決まる・・・「口利き」はいわば市民と行政の間に立ってさまざまな課題解決を行うこと・・・それが時として特定の人、団体、企業のエゴを助長したり、議員による「利益誘導」にも・・・それを成功させるためには行政=首長との関係を良好にしておくことが不可欠と考える議員は首長の「与党」と化す・・・「与党化」すれば、行政に対する「厳しい目」を失う

将来の地域社会のために今何を優先すべきか、何を削ってもこれだけはやらなければといった「政策選択」が問われる時代”

”もともと議会は市民とともにあり、行政の目線を市民の方へ向けさせ、行政の体質を変えさせていく役目であったはず”

”身近な選挙はなかなか厄介・・・必ずしも「政治的な資質」・・・で選んでいるとは限りません。しかしそういうことを繰り返していては、市政はよくなりません”

”市民がしっかり選ばれた人たちを監視し、緊張感のある状況を作ることによって、政治家たちの行動も規律されます。質の高い政治が行われるかどうかは厳しい「市民の目」があるかどうか

”少し前まで役人はとてもいばってましたし、いばってないにしても市民に対して「〇〇をだれにしてやる」などと主客転倒したことを平気でいっていました。権力や権限を握っているのは自分たちであり、できるだけ市民を遠ざけてきました。”

行政は市民の「代行機関」に過ぎない・・・

同じ集落に何軒かの家があれば、そこに住む人たちは社会生活をするために共同で処理していく・・・

自分たちで行えることは行うが、すべてそれで済むわけではない・・・

広範囲や大規模な事業を行おうとすると専門家やその仕事に専念する人が必要になる・・・そうした人たちを共同で雇い入れ、仕事を「代行」してもらう。それが行政の出現・・・

行政で必要な経費を互いに負担しようというのが税です・・・

その行政が自分たちの考えているように仕事をしているかどうかをチェックする機能も必要(=議会)

あくまでも主人公(主権者)は我々市民であって、「先ず役所ありき」ではないのです”

「情報のないところに議論なし」といわれるが、行政が収集した情報を整理し、分かりやすく市民に知らせているのかどうか、市民が知りたい情報はすぐに取り出せるのか・・・公の会議がどこまで公開されているのかも含め、情報の取扱いはとても重要で、その状況を見ただけでその自治体の質が分かるといっても過言ではありません。”

役所になんでも要求する、なんでも役所に頼ることで解決するわけではありません・・・自治体の財政は縮小していく時代ですから、「あれもこれも」ではなく「あれかこれか」、「あれもこれもできない」ことになってきます。”

”なぜ地方分権が必要だったのでしょうか・・・地方のそれぞれの個性や状況を踏まえて政策を考えていかなければ、「真に豊かな生活」を実現できないと判断されたから”

いかがでしたでしょうか。

当たり前の内容でしたでしょうか。当然意見の異なる箇所があるかもしれません。


人によって捉え方に違いはあるかと思いますが、例えば現在の北杜市議会の”採決行動”を基準にしてみますと、18名の方は「市長与党」と言えるかと思います。

厳しい質疑をしている会派もありますが、納得のゆく答弁や行動の変化は得られていないようです。こういった状況で本気で首長・行政の変化を求めたいのであれば、覚悟を決めて採決行動で強い意思を示す以外に方法はないのではないでしょうか。

例えば、否決されることが目に見えている予算案を市長も提示はしてこないでしょう。色々質疑で言われるけども、どうせ最後は反対されることはない、と目論むから事業内容(予算)に変化が現れないのではないでしょうか。

採決で是々非々の行動をしている議員は4名でしょうか。何でも反対の議員、といった古典的なレッテル張りもあるようです。反対議案に対する4名の考えはそれぞれバラバラですが、市民目線での議論の結果であることは議事録など見てもらえば明々白々です。

こういった視点でも議会を見ていただければ、より議会に緊張感や変化の波を起こすことができそうに思いますし、市民の「生活の質」も変わっていくことと思います。

池田やすみち(山梨県北杜市議会議員)