「猛暑」で思考停止はダメ!?小学校のエアコン設置は完了。プロセスや結果を振り返り検証しよう。

小学校へのエアコン設置、と言うことで平成29年12月、補正予算が組まれました。

なぜ補正予算なのか緊急性は?、一教室あたり約370万円としたら異常では?そもそも必要性はどう判断した?、といった指摘をしました。

 以前のブログ:小学校1教室あたり約370万円のエアコン設置 ← 私は賛成できませんでした
 

「この質問では誘導だよね」との多くのお声を頂戴し、私も同感ですので判断材料としては不適当と考えますが、「必要性」については補正予算が議会を通った後、アンケートが行われました。

 過去のブログ:(続報)「欲しい」≠「必要」。小学校にエアコンが「必要」かこのアンケートで把握できるか?


コストについては結果として、執行段階で約40%減につながったのは大きな成果でありました。
(事業費) 437,094千円 

(請負金額)262,816千円 

(予算残) 174,278千円
 

1億7千万円ほど予算がういたわけですが、諸手をあげて喜べる結果とは言えません。
”猛暑””異常気象”といったワードで「エアコン必要だよね」、で思考停止することなく、注意深く執行内容を見る必要があります。

私が問題視するのは次の点です。
(1)やっぱり必要性の低い部屋にも設置していないか?
(2)付帯決議による可決は正しかったか?

(1)ですが、設置された各小学校の部屋数は次の通り議会へ報告がありました。各学校、普段使う教室(普通教室)の倍程度の数値です。
・明野15
・白州13
・武川12
・高根西12
・長坂16
・泉14
・小淵沢17
H29年12月議会でも設置する部屋の数については指摘し、全体で20程度は削減されたようです。

しかし最終数値からは、稼働が少ない部屋も含まれているように見え、市民の納得は得られないと私は判断します。
標高の高い小学校においては、年間稼働日数は20日間、1日4時間の想定であることを、改めて記しておきます。

標高の低いところでは年間30日。

稼働の少ない教室だと、さらにこれらの数値は下がるでしょう。

(2)
削減されたコストは、トイレの整備、遊具の整備、保健室の整備、特別支援教室等の整備といったことに使われました。
付帯決議で「予算執行に当たり、学校、PTA、保護者、児童の意見を尊重して、効率的並びに有効的な施設整備を行うことに努める」としたからです。

繰り返しますが、教育環境が良くなることは大賛成というのが大前提です。

しかしこのやり方をよしとすることは、今後もあえて大きめな予算を提示し、議会に付帯決議をつけてもらえば、浮かせた予算は別で使うことができる、と懸念するのは私だけでしょうか。
シンプルに考えれば良いだけで、一度補正予算は却下し、提出し直しさせれば良かったのです。
このような「付帯決議」を前例とするわけにはいかない、と考えます。

▪️

あたりまえのことを何度も書きますが、適切なところへ、適切な額の血税を使うことが求められています。

市内小学校へのエアコン設置はこれらの点で不適切であった、と私は考えます。
引き続き、市民の血税の使われ方をしっかりとチェックしてまいります。

池田やすみち(山梨県北杜市議会議員)

■プロフィール■
池田恭務(いけだやすみち)
1973年5月1日生まれ(46歳)
1997年国際基督教大学(ICU)教養学部社会科学科卒
外資系コンサルティング会社等民間企業を経て、
渡辺喜美みんなの党代表秘書(公設政策秘書)。
2016年11月より山梨県北杜市議会議員。
会派無所属の会代表、経済環境常任委員会前副委員長、広報編集委員会副委員長。