異常な議事進行に抗議する私に退席を命じた議長の不信任が可決。しかし市民のことを守れませんでした…

(赤字を12/22 2:00ごろ追記)

12月議会が閉会となりました。
昨日フェイスブックで取り急ぎご報告したとおり、ここは本当に日本なのか、と疑ってしまうような出来事がありました。

市の指定を受けて公の施設の管理を行う法人等を指定するには、議会の議決を経る必要があります。
いわゆる指定管理で「増富の湯」の管理者指定において、信じられないことが行われました。


選定委員会を経て「妥当である」とされ、「増富の湯」の指定管理業者候補が議案として議会へ上程されていましたが、市が議案の撤回を申し入れる、という展開となっていました。
 

どういうことか説明します。

前日夜22時までかかった全員協議会で、某議員の質問に答える形で、この指定管理者候補者は市に確認することなく、勝手に北杜市産業観光部などを構成員として農水省への提案書類に記載して交付金申請した、といった説明がありました。

これについて市は全く何も知りません、と。

そして更に、議案撤回に至ったのは、当候補者の代表者が全員協議会に欠席したことが原因であり、遺憾である、といったことまで言っていました。

ちなみに欠席理由は体調不良と耳にしており、数日前に必須ではないのに議会へ説明にいらした際、すでに今にも倒れそうなほど衰弱しているようであり、そんな中いきなりの追求を受けて体調が悪化した、としたら容易に想像できるにも関わらず、です。

増富では別の問題も発生しており(代表質問結果を明日以降ご報告します)、その件では増富の住民が現職の北杜市議会議員と元職議員を訴え係争中です。また野中議員も当件に関連し北杜市を訴えています。
そんな中での今回の流れですから、何か匂うぞ、と考えるのが自然でしょう。

そうしたところ、翌日の本会議開始までの間に、当時の産業観光部次長が申請書類を作成し申請していたことや、当時の地域課課長、リーダー、増富出張所長が関東農政局(農水省)の事業を認識していたことが分かるメールが出てきたのです。
(ちなみに当時の次長は国からの出向で、もうお戻りになりいませんが、だからと言ってメールが見つからず知らなかった、との言い訳は通りません。メールは公文書です。退職した職員のメールが公文書から外れる、ということがないのと同じです。)


これが何を意味するかは言うまでもありません。
市が議案撤回理由としている内容は間違いであり、理由にならない、ということです。
信頼関係を損なう、としていますが、市にその原因があることが分かったのです。
そうであれば、議案の撤回は不要になります。
このまま進めると、当該指定管理者候補者の名誉を毀損することになります。
議員として、それは何としても防がないといけません。

そこで、本会議開始前の議会運営委員会において、新たな事実が出てきたので当件の採決の際には質疑、討論を省略しないよう、意見をしました。新事実が分かったことも伝えた上で、です。
法的にはどちらでも可能なことは委員の前で議会事務局にも確認しましたが、しかし中嶋新議長(北杜クラブ)は省略する、と。
なので私は議場において要求するので、と不意打ちにならないよう前もってお伝えをしました。
その上で本会議に臨んだわけです。

渡辺英子市長が議案の撤回理由を説明した後、歩いて自席に戻るまでの議場が静かなタイミングで起立し、質疑・討論を求める動議を求めました。当然賛同者が大勢「賛成」の声をあげました。
事前に議会運営委員会で議長には伝えていますので、想定された動きです。
当たり前ですが、大きな声で言ってますので、聞こえないはずは100%ありえません。
そうであるにも関わらず、議長は動議を取り上げず、先に進めます。
当然議場は紛糾します。前に進みません。
立ち往生する議長に対して暫時休憩の動議も出ましたが、それも取り上げません。
あまりの異常な議事進行に、当然の結果として、議長不信任動議が出ましたがそれすら取り上げずに進めようとするのです。
あってはならないことです。


新しく分かったことによれば、市は何も知らなかった、指定管理業者はけしからん、という理由は崩れ、指定管理者候補者が選定されます。ではなぜ中嶋新議長はこのような異常な進め方までして質疑討論をさせなかったのか。
議案撤回の流れが止まったら困るから?と疑わざるをえません。


そこで大勢の議員が抗議をし続けましたが、議長は私に対し退場を命じるという呆れた行動にまで出ました。
さすがにメチャクチャな議会運営、ということで議長不信任動議には過半数以上の議員、すなわち議長に近い議員ですら賛同し可決されました。すなわち私の行動の正当性が認められ、議長の行為は議長としてあるまじき行為であることが認められた、と言えます。
しかし、議長は辞めることなく、謝罪することもなく、

議案撤回の前に動議が出されていた(それをスルーした)にも関わらず、日程を前に戻さず、よって市民に事実を伝えるべきである質疑討論がされることもありませんでした。市民感覚ではありえないでしょう。
しかし、私が退席する前に野中議員へ関連資料を託し、議長不信任の理由説明の中で、メールの内容や今回の議案撤回がいかに正当性がないことであるか、いかに渡辺市長の議案撤回理由に正当性がないか、といったことを主張してくださいました(正確にはCATV、議事録をご参照ください)。会派が違うにも関わらず、急なパスであったにも関わらず、心より感謝申し上げます。

これが北杜市議会、渡辺英子市長率いる北杜市役所の実態です。
変えるためには、市長には交代していただき、議会の過半数も市長与党から市民与党へと変えることです。
それができるのは選挙であり、北杜市民のみなさんです。

議長不信任が可決されたことは大変大きいことで、議会が変わりつつある証明です。

変化を加速させるために、引き続き一緒に闘ってまいりましょう。

ちなみに余談ですが、県議選に出馬を表明している保坂多枝子議員の最終日の行動を残念に感じています。

正式に議員辞職された後に、市議会議員としてご一緒した2年間の彼女に対する私なりの評価も情報発信する所存です。

池田やすみち(山梨県北杜市議会議員)

■プロフィール■
池田恭務(いけだやすみち)
1973年5月1日生まれ(46歳)
1997年国際基督教大学(ICU)教養学部社会科学科卒
外資系コンサルティング会社等民間企業を経て、
渡辺喜美みんなの党代表秘書(公設政策秘書)。
2016年11月より山梨県北杜市議会議員。
会派無所属の会代表、経済環境常任委員会前副委員長、広報編集委員会副委員長。