異様な北杜市のハザードマップ作成方針。人命最優先にすべき。

12月議会の代表質問では、防災減災関連についても質問しました。

台風19号の際の職員の働きには改めて感謝申し上げる次第ですが、上層部の答弁については様々なポイントで苦言を呈さざるをえません。

整備中のハザードマップには34年災害の浸水エリアなどは掲載しない謎。人命よりも大切なものでもあるのか?

現在市には洪水ハザードマップがなく(土砂災害はあり)、浸水想定区域としては明野エリアに少しだけ表記があります。
しかし昭和34年災害で被災したエリアはまったく表記されていません。この時点で???です。

そして今年度、県が整備した塩川と釜無川について反映させるとのこと。これら河川は水防法にて指定されている(洪水予報河川、水位周知河川)ため県で調査したものです。これら以外の水防法に指定されていない河川については、過去の災害を踏まえ各市町村にてハザードマップに反映してもらうとのことでした(県土整備部治水課に確認)。

当然、武川の駒城橋周辺(大武川、石空川合流エリア)や下流エリアなど、昭和34年に被害のあった場所は、市としてハザードマップに反映することを市長に確認したところ、考えていない、と(驚)。
※実際の答弁は担当部長ですが市長答弁と同じ意味があります。

移住者を招き入れようとしている中で、過去の災害をご存知ない方々も増えています。市民の命よりも大切なものでもあるのか、との印象を受けてしまいます。

政策の整合性・チグハグさ、アクセルとブレーキを同時に踏む残念な姿勢といえ、強い危機感を覚えます。

避難所の安全性について、HPなどで公表しないという謎

武川、白州の指定避難所に対して、不安を感じてらっしゃる市民がいらっしゃいます。
例えば武川の場合、武川小学校が避難場所なわけですが、水害が発生すると危険なのではないか、ということ。白州体育館は土砂災害警戒区域となっていることから不安の声があります。実際に避難することは危険と考えて、これらの場所への避難をされなかった市民がいらっしゃいました。

普段から、市が指定する避難場所の安全理由をHPなどで公表・発信することで、適切な避難に繋がると考えるわけですが、なぜかそのような市民の安心安全につながる情報発信はしないとのこと。ただただ謎です。

安全理由については答弁していましたので(※↓)、HPに掲載するだけで簡単なことです。何にこだわっているのか、市民の安全安心よりも大切にしているものは何なのでしょうか。こういったところに市長の姿勢が表れていると言えます。
(※)武川小学校:昭和34年災害でも浸水していない。万が一浸水する場合も、校舎3階への垂直避難が可能。
(※)白州体育館:土砂災害警戒区域が広範囲なため区域内となっているが、建物が強固であることや過去の災害等の状況を考慮して開設←説明としてはちょっと苦しいですね

市民に広くアンケートを取ることは“しない

災害対策防災会議を開くなどの振り返りをし、防災減災に努めていることは高く評価するところです。

一方で、区長会など、受けているフィードバックの情報源が限られています。
区長会の情報も当然重要ですが、行政区に加入していない市民も多く、加入していても関わりの濃淡があります。市民に広くアンケートをとって防災減災対策のインプットとすべきです。しかし、その考えはない、そうです。ここでも市民の安全安心よりも、別の何かを優先する姿勢が透けて見えました

意見を全て取り入れよ、ということでは勿論ありません。出てきた意見の中で、職員ではジャッジできないものは、最終的に市長が政治判断すればいいのです。
もし判断すること(意見が割れること)を避けているのだとしたら、北杜市の懸案事項はこれからも解決の方向に進まないでしょう。必ず意見は割れますから。

駒城橋の架け替えは前進しています

水害の観点から長らく懸案となっている武川の駒城橋ですが、こちらは県の事業であり、これまで地域の皆さまや県議会議員をはじめ、粘り強く取り組んでこられました。引き続き市としても、早期架け替えの実現に向けた取り組みを要望しました。

こちらは着実に進んでおり、令和8年の完成を目指すということで県からも聞いているそうです。

人命に関わることで、このような答弁が続出することは正直想定していませんでした。
現実的に11月の選挙までの間に市(市長)の姿勢を変えることは難しいですが、改選後には早急に改善に着手できるよう準備を進めます。

私が実施したアンケートにご回答頂いた内容については、市の方ですでに課題認識を持っているものもありました。その他についても質問の中で例示するなどし、対策検討をお願いしたところですので、フォローアップしてまいります。

池田やすみち(山梨県北杜市議会議員)

■プロフィール■
池田恭務(いけだやすみち)
1973年5月1日生まれ(46歳)
1997年国際基督教大学(ICU)教養学部社会科学科卒
外資系コンサルティング会社等民間企業を経て、
渡辺喜美みんなの党代表秘書(公設政策秘書)。
2016年11月より山梨県北杜市議会議員。
会派無所属の会代表、経済環境常任委員会前副委員長、広報編集委員会副委員長。