いじめに対して本気を示す寝屋川市。北杜市はどうする?

北杜市では現在第3者委員会にて某事案の調査がされていますが、この間市長の関与、姿勢が全くと言っていいほど見えてきません。

TV報道のスクリーンショット

もっと言えば、昨年7月に第3者委員会がまとめた報告によれば、市教育委員会は法やガイドラインに沿ってこなかったとされています(よって一旦第3者委員会を解散。その後、法やガイドラインに沿って再立ち上げし、現在も調査継続中)。

同じくTV報道のスクリーンショット

ここまで時間がかかってしまった責任は教育長だけでなく、任命した市長にもあります。
任命に合意した議会の責任も同様に重たいです。教育長の任期継続について反対したのは、我々無所属の会のみでしたが・・・。

寝屋川市のいじめ対策に注目しています

なぜいじめ問題は繰り返し発生するのか。
寝屋川市ではその再現性の高さの要因として「教育的アプローチ」の限界という仮説を設定し、「行政的アプローチ」に挑戦されています。教育委員会の機能不全との報道もあるわけですが、北杜市に限らず問題視されるケースが多いのは否定できないでしょう。

報道によれば、寝屋川市の広瀬市長は「いじめゼロ」に向けて市長部局(教育委員会配下ではなく)に監察課を設置し、いじめの初期段階から対応する体制をスタート(10月15日より)しています。主に学校現場が対応してきたわけですが、そこに新たな視点を持って取り組む挑戦です。より”予防”に注力できるなど、教員の働き方改革にもプラスとなることが期待されています。

監察課の体制は弁護士やケースワーカーなど。北杜市で同じことをするとしたら、スタッフは市外在住である、なども条件とした方がよいでしょう。良くも悪くもみな知り合い状態なので。

さらに刑事告訴や民事訴訟など「法的アプローチ」を行う場合の弁護士費用も一部市が負担する条例を可決。これは「行政的アプローチ」に実効性を担保する役割を期待してのことで、徹底しています。

まだ始まって数ヶ月ですので、効果検証には時期尚早ですが、かなりの期待が持てる取り組みではないでしょうか。
このような挑戦ができるのは、市長のリーダーシップあってのこと。そして挑戦を認める議会あってのことでしょう。“市民である児童・生徒を、いじめという人権侵害から守る”という担当者の言葉にも心強さを感じます。

一方で、教育の独立が脅かされる可能性を心配する声もあるようですが、長らく効果的な解決策を示せていない教育的アプローチの改善を、たったいま辛い思いをしている子どもたちは待っていられないでしょう。選挙で民主的に選ばれた市長が主導するのですから、もし気に入らなければ選挙で落とせばよいので、暴走リスクも限りなく低い、と私は考えます。

北杜市でも同様の取り組みである必要はないですが(より良い内容であることが前提ですが)、渡辺市長からもいじめに対する積極的な姿勢が引き出せるよう、引き続き質してまいります。

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池田やすみち(山梨県北杜市議会議員)

■プロフィール■
池田恭務(いけだやすみち)
1973年5月1日生まれ(46歳)
1997年国際基督教大学(ICU)教養学部社会科学科卒
外資系コンサルティング会社等民間企業を経て、
渡辺喜美みんなの党代表秘書(公設政策秘書)。
2016年11月より山梨県北杜市議会議員。
会派無所属の会代表、経済環境常任委員会前副委員長、広報編集委員会副委員長。