「市民不在の行政対応」との報道も、子どもたちのために最後まで諦めない保護者さんたちに感服。ただ市長面談は残念な結果だったようで…(さくら分園閉園問題続報)

朝、辻立ちでご挨拶をさせていただいていますが、冷え込む朝でも、窓を開けてお声がけしてくださったりと、とても励みになります。いつもありがとうございます。

さて本日は、しらかば保育園さくら分園の閉園問題についての続報です。
八ヶ岳ジャーナルで「市民不在の行政対応」と報じられ、引き続き心配されている市民も大勢いらっしゃると思います。

※今年度からの保護者以外は閉園について知っていた、と耳にしましたが間違いです。全保護者さんが知りませんでした。
※通園距離の公平性について聞かれたのですが、さくら分園に通っているご家庭の多くは、近くに別の園があっても、さくらを選択されています。
※これまでの様子は過去のブログもご参照くださいませ。
虚偽説明をしてまで保育園閉園を強行するのはなぜ?
説明会開催も、すでにHPでは休園と記載。これでは切り捨てられたと悲しまれて当然。市は誠意ある対応を。
さくら分園閉園延長も園児の新規募集をしない合理性は説明できず。反対への報復、大人のいじめ、との保護者の意見は当然。市長は猛省をし、市民に寄り添った説明姿勢を。

突然の「今年度いっぱいでの閉園」 から 「3年延長」となったわけですが(保護者は延長ではなくあくまでも継続を望んでいましたが)、その間新規募集はしない(でも在園児の兄弟はOK)、という不可解な決定がセットでなされ、波紋を呼んでいるのはご承知のとおりです。
※秋田分園の閉園が決まった際は、閉園までの期間、新規募集はされていました。

あまりに不可解すぎて、どのような経過を辿ったのか、開示請求がされ、情報を共有いただいたのでご報告しますと…

(1)議会(=市民)への報告が虚偽であったことが裏付けられる決済文書が存在

開示文書には決済起案用紙が含まれまして、そこには「休園について概ね了承を得られた」と書かれています。これでもなお議会(=市民)への報告は虚偽ではなかったと、強弁し続けるのでしょうか。現場がやったことでは済まない、トップの市民・議会に対する姿勢が問われています

(2)現場を預かる福祉部から市長への提案は、閉園延長の場合も「募集継続」、であり、募集停止は上の判断であったことが明らかに

いずれの案も新規募集は継続、としています。何ら無理のない、誰もがハッピーな案なのですが、「募集停止」と上が判断したわけですね。これまでもそうした説明でしたし、福祉部の苦しい説明に改めて合点がいきました。


こうした情報なども踏まえての市長面談だったわけです。副市長のお話がメインだったそうですが()。
保護者からのポイントは決して強欲でも何でもなく、誰にもデメリットを感じない内容です。
・閉園ではなく、あくまでも継続を希望したが、3年後の閉園は受け入れている
・ただ最後まで在園児が良い環境で保育を受けられるようにして欲しい
・そのためには新規募集は継続して欲しい
・他園を希望するのに、さくら分園に割り振って欲しい、と言っているのではない
・3年で閉園を伝えた上で、その間は市民の選択肢を奪わないで欲しい

年齢によっては転園が必要となる、などを理解した上で、さくら分園がいい、というご家庭があっても何ら不思議ではありませんよね。事実、今の保護者さんたちがそうなわけですから。

保護者が長らく求めていた面談が遅ればせながら実現したことは良かったのですが、結果は残念なものであったそうです。
新規募集をしない理由は、
・さくら分園は適正規模ではなく、適切な保育が提供できない
・適正規模の根拠はない()が、市の方針として1クラス20〜30人で切磋琢磨する環境を整えたい
・さくら分園は市が考える適切な環境ではないので新規募集はしない
・いずれ転園する人たちが不幸になる可能性がある

なかなかなお話しで…
キャパや人員など、新規募集が可能であるにも関わらず、市民に選択肢を与えないのは、市民は適切に判断できないから、市が示す中から選んでください、と言っているのと同義だと言われても致し方ありませんよね。適正規模の根拠もない、となるとやはり嫌がらせ?と勘ぐられてしまいます。

実際本音も包み隠さず言われたようで、3年を待たず他へ転園してもらいたい、と。やはり新規募集をしない理由はこれか…、少しでも早く全員を転園させて閉園に追い込みたい、と見られても致し方ありません。

一連の話を伺って、時代錯誤の官尊民卑意識がいまだに残っているのかなぁ、と強い危機感をおぼえました。いみじくも「市民不在の行政対応」との報道が的を得ていたことが証明されたと言えます。素敵な職員さんが大勢いるのに残念でなりません。

虚偽内容による決済文書といい、議会(市民)への虚偽報告といい、組織体質を変革するのは覚悟のいることです。
しかし、子どもの数を10年で2倍に増やす(令和12年の小学生を3800人に)、という公約実現に向けて避けて通れない道ではないでしょうか。

「市民不在」から「市民のための行政」へと変わって行かなければ、子育て世代に選ばれる自治体にはなれません。北杜で子育てしよう、戻ってこようと、選ばれる自治体にはなれません。
これからでも決して遅くありませんから、市民のための行政を徹底していただけることを願っています。
誰一人としてデメリットを被らない、さくら分園の新規募集継続は、その第一歩と言えます。

賛成であっても反対であっても、大勢の市民が関心を持って注目することで適切な判断につながっていきます。12月議会もまもなく始まります。
引き続き注目してまいりましょう。

池田やすみち
プロフィール
会社員時代はコンサルティング会社などで勤務。その後、東日本大震災をきっかけに政治の世界を志し、国会議員の政策担当秘書として活動。
2015 北杜市に移住。地域おこし協力隊として、行政活動に従事。
2016〜2020 市議会議員。
2020 市長選出馬。
妻と2人の子ども、そして保護犬の4人と1匹家族。
2020年、養育里親の認定取得。