議会“流会”は個人情報発言が発端。議会動画はどのようにCATVで放送されるのか?
平成30年第2回北杜市議会定例会が“流会”になったことはご報告した通りです。
私の記憶では(正式には議事録となりますが)、
藤原尚議員の居住実態に対する弁明の中で、一般市民のプライバシーに関する内容を話したため、
野中真理子議員が取り消しと謝罪の動議を出しました(その前に私を含め6名で再付託の動議を出しています)。
それを受けて藤原議員が発言を許されたわけですが、2次被害が心配されるような内容であったため、
発言を止めようとして挙手をした議員たちがいたものの、結果として議長は発言を止めませんでした。
そこで一部の傍聴人からの不規則発言が発生。
中嶋新議長は不規則発言をした一部の傍聴人に退席を求めるのではなく、“全員”に退席を求めたため騒然となり、それを収めることができず、議長より暫時休憩が宣言され、その後再開ができなかったために“流会”となりました。
繰り返しですが正式には議事録となります。
ではこの一連の“様子”はどのようにケーブルテレビで放送されるのか、気に掛かりませんか?
「平成 29 年度 第 2 回北杜市ケーブルテレビ情報連絡施設放送番組審議会議事録」を見てみましょう。
④議会放送について
委 員:議会放送に関しては広聴広報が対応すべきなのか、それとも議会事務局 が対応するべきなのか。
事務局:現在、市では自主放送番組ということで広聴広報で対応しているが、インターネットで配信していくことになれば議会事務局が対応していく。
なぜ議会放送なのに執行部(政策秘書課広聴広報担当)が?というツッコミは一旦脇に置きますが、
要は市役所組織のトップである渡辺英子市長の全責任の元、編集されている、と言い換えることができるでしょう。
ただ編集されているといっても、通常であれば議会をそのまま放送するだけです。
当然ですよね。気に入らない議員の発言を恣意的に編集する等したら大問題になります。
一方で、「北杜市ケーブルテレビ情報連絡施設放送番組審議会に関する規則」には次のように定められています。
個人や団体の名誉を傷つけたり、信用を損なう放送はしない。
NHKによると、藤原尚議員は謝罪をしようとしていたようです。
すなわち非を認めようとしていたものの流会となったわけです。
しかし発言は取り消されなかったため議事録には明記されます。
ただ議会放送は正式な議事録とは位置付けが異なります。
事実、議事録が作成される前に放送もされます。
何が言いたいかというと、
藤原尚議員が謝罪しようとしていた一般市民のプライバシーに関する発言は、上記規則で言うところの名誉を傷つけていないか?もしそうならば放送すると規則に反することにならないか?ということなのです。
「特別委員会の中で、すでにこの方の個人名を出した議員がいたのだから、本会議で個人情報を出しても問題ない」と主張する議員もいると耳にしてますが、本当だとしたら全く賛同できません。
個人名が出た=その個人のプライバシーも出していい
なんてロジックは成り立ちませんよね。
もし個人のプライバシーの部分を放送するならば、それは組織のトップである渡辺英子市長の責任で行われることになるわけです。
プライバシーの部分については音を消すなどして放送すべきではないと考えますし、
それ以外の部分については通常通り休憩中を除いた議会の全てを市民に見ていただくべきである、と考えます。
適切な判断がなされるよう、働きかけを行ってまいります。
池田やすみち(山梨県北杜市議会議員)