学校統合問題は市長の問題ではない、というご意見について

以前のブログ『「中学校は2〜4校に統合再編を進める」新行政改革大綱素案にて新たな公約破棄の意向が明らかに。』に対して、次のようにコメントをいただきました(ありがとうございます!)

市長の問題ではなく、統合問題は10年以上前から市で模索していることですね。
年間200人前後しか母子手帳を発行してない市に中学校8校は、さすがに多すぎると思いますので、いい方法を考えて欲しいです。

Facebookで頂いたコメントより

返信コメントでお約束のとおり、今回のブログでは1行目についての考えを記しておきたいと思います(2行目についてはまた改めて)。
まず、今回の件は市長の問題と言わざるをえず、この点、コメントをくださった方とは意見が異なります(異なる意見も大歓迎です!本当です!)。

中学校を統合するか否かは、かなり長い期間議論をされていることは事実です。平成19年12月から議事録があります。
これまでの議論自体を否定するものではありませんし、今の審議会もとても素晴らしい議論がされています。→議事録などはこちらにあります。

ただ位置付けとして、審議会は民意を反映している、とは”必ずしも”言えません。委員選出方法が”必ずしも”民意を反映する仕組みではないからです。
行政サイドが専門家(有識者)に依頼したり、いわゆる充て職で委員となられたり、公募(多数の場合は抽選のはず)で委員になられたりと、市民が委員のお考えを聞いて投票などで選んだわけではないので、”必ずしも”民意を反映しているとは言えないわけです。だからと言って審議会の議論に意味がないとか、民意からかけ離れている、とか言っているわけでは決してありません。審議会の議論は大変重たいものです。

では市長はどうか。
当たり前のことではありますが、市長は市民から投票で選ばれます。
その際、市長候補は公約を示し、市民はその公約に賛同する候補へ票を投じるため、選出された市長は民意を反映された方となります。
ただし、シングルイシューではない(公約は多岐にわたる)ので、完璧な民意の反映は不可能ではあります。

では今回の選挙はどうだったか。
学校の統合について、以前のブログでの通り、市長は次のように公約されています。
(私を含め、全候補者が統合とは公約しなかったはず。パンフレットなども見ましたが、もし間違っていましたらお詫びの上、訂正いたします。)

(1)→ 私は10年で子どもの数を2倍にするという目標を掲げています。学校の統合は当面考えていません。子どもに多様な教育を提供してまいります。

(2)→ 子どもたちの多様な教育環境を提供するために少人数学級を進めてまいります。

(3)→ 守りたいもの…政治への信頼であります。政治家が嘘を言ったり、筋を違えたりして、政治の信頼を失っては行けないと思っています…そのために私は約束したことを石にかじりついてでも実現していく、実行していく覚悟であります。政治の信頼をしっかりと守っていたいと思っております。

⬆️公開討論会での現市長の公約です。それぞれ(1)(2)(3)をクリックすると該当箇所をご視聴頂けます。

ちなみにですが、渡辺英子前市長は、それまで統合の方向であったものを、市長就任後に公約通り白紙に戻されました
審議会からの意見は重く受け止めるべきですが、最終決断は民意を背負っている市長が行うべきで、前市長は適切な対応をされました(その後の進め方などは色々ありましたが)。
もし市長が民意を反映していない、と市民が感じたら次の選挙で落とすことができますが(新たに民意を反映できます)、審議会はこのような民意を反映する手段がありません。
こうしたことから、選挙公約と真逆の今回の言動は、”市長の問題”であり、公約破棄・公約違反と言わざるをえないわけです。

今回FBコメントを頂いた事をきっかけとして、こうして制度面の考えを書くことにつながりました。改めて感謝申し上げます。
オープンなところでのコメントのみならず、直接のメッセージも、もちろん大歓迎です。
幹線道路での辻立ちなので、駅のように見かけたら気軽にお話を、というのも場所によってはなかなか難しいと思いますが、それも大歓迎です。
もし公開されたくない情報でしたら、ブログなどで発信することは決してありません^^
これからも情報発信に努めてまいります。引き続き忌憚のないご意見をいただけますと幸いです。

池田やすみち
プロフィール
会社員時代はコンサルティング会社などで勤務。その後、東日本大震災をきっかけに政治の世界を志し、国会議員の政策担当秘書として活動。
2015 北杜市に移住。地域おこし協力隊として、行政活動に従事。
2016〜2020 市議会議員。
2020 市長選出馬。
妻と2人の子ども、そして保護犬の4人と1匹家族。
2020年、養育里親の認定取得。