香川県議会のゲーム利用時間を制限する条例に違和感。にじみでる政治家の基本姿勢。

先週あたりから、香川県議会が検討を進めている子どものゲーム利用時間を制限する条例が話題になっていますね。20日に新素案が出て、引き続きネット上でも様々な意見が行き交っています。
米バーモント州の「21歳未満の住民が携帯電話を保持、使用することを全面的に禁じる法案」が議員から提案されたとの報道もあり(通過はしない見込みですが)、遅ればせながら政治家として基本姿勢をお示しすべきと考えましたので、ブログにしておきます。

ちなみに北杜市関係の国会議員、県議、市議の意見表明は見かけませんが(もし違っていたらごめんなさい)、もしあればぜひ確認しておきたいです。

香川県の条例の記事:https://www3.nhk.or.jp/lnews/takamatsu/20200109/8030005560.html
米バーモント州の記事:https://www.cnn.co.jp/tech/35148173.html

香川県議会の条例の内容

香川県議会の条例は現在検討中(素案)の段階ですが、ゲームの利用などについて、
高校生以下の子どもを対象に1日あたり平日は60分、休日は90分に制限するとともに、
スマホ等の利用については、夜間の利用は高校生は夜10時以降、小学生や幼児を含む中学生以下の子どもは夜9時までに使用をやめることが盛り込まれるということです。

ゲームは子どもに悪影響を与えるという根拠は?

ブログタイトルからもお分かりのとおり、私はこの条例に強い違和感を覚えています。
その理由は大きく分けて2つです。
(1)子どもの権利に制限を加えるわけで、科学的根拠がないと権利侵害となる恐れがある。
(2)権利の主体である子どもたちの意見は反映されているのか?

ゲーム依存症は確かに切実な問題です。しかし、依存症となるのはゲームが要因なのでしょうか?別の要因があって、結果としてゲームに依存している可能性や、依存する理由は複合的という見方もできます。別に要因があるとしたら、この条例案はピントがズレていることになり、ゲーム以外の別の何かに依存先が変わるだけ、ともなりかねず、子どものためになりません。
もし親の長時間労働による家庭不在や、親の子どもへの関心の低さ、が要因ならば、養育者を支援する条例とすべきでしょう。
子どものゲーム依存となる要因をどう特定したのか、その内容を含めて知りたいところですが、私が調べたところでは、根拠となるような情報は見つけられていません。

そして、子どものためになるということを、大人だけで決めるべきではなく、権利の主体である子どもたちと一緒に考えるべきです。ゲームによって学ぶこともあるでしょう。ゲームが自己表現のツールにもなりえます。これからパブリックコメントを募るそうですが、事前に子どもたちとの対話はあったのでしょうか。

今年選挙ということもあり、意見の割れる事案ではダンマリの方が得という見方もありますが、こうした投票先の判断基準となりそうな事案に対する立場について明らかにすることが有権者に対する誠実な姿勢だろうと思いますので、これからも積極的な情報発信に努めてまいります。

池田やすみち(山梨県北杜市議会議員)

■プロフィール■
池田恭務(いけだやすみち)
1973年5月1日生まれ(46歳)
1997年国際基督教大学(ICU)教養学部社会科学科卒
外資系コンサルティング会社等民間企業を経て、
渡辺喜美みんなの党代表秘書(公設政策秘書)。
2016年11月より山梨県北杜市議会議員。
会派無所属の会代表、経済環境常任委員会前副委員長、広報編集委員会副委員長。

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